HOW TO 2022.03.11
三角構図からはじめよう 〜AJ構図研究部〜
三角構図から水草レイアウトのコツを学ぶ
私たち若手AJスタッフは編集に携わる中で、ネイチャーアクアリウムにはなくてはならない基本の三構図から改めて学びなおす必要があると考えました。そこで有志を募り、自ら構図の理解を深めることで読者の皆様により良い情報を発信していくことをスローガンに掲げ、AJ構図研究部を立ち上げました。まずビギナーにとって始めやすい小型水槽のなかで向いている構図とは何かを考え、ADAの過去の小型水槽の水景のなかで最も割合が多かった三角構図について、今回は3人のメンバーで研究していきたいと思います。
ネイチャークリエーション部
シバタ
シバタ
メディア事業部
タカトウ
タカトウ
生産開発部
カメヤマ
カメヤマ
REPORT 01 基本の三構図とは
ネイチャーアクアリウムには三つの基本となる構図があり、これらを意識することでバランスのとれた水景がつくりやすくなります。
三角構図
左右のどちらかに空間を設けることができるため、遊泳スペースを確保しやすい構図です。基本的には、流木や水草を水槽の対角線に沿って構成します。次ページから深堀りしていきましょう。
左右のどちらかに空間を設けることができるため、遊泳スペースを確保しやすい構図です。基本的には、流木や水草を水槽の対角線に沿って構成します。次ページから深堀りしていきましょう。
流木と水草で構成された輪郭をつなぎ合わせると直角三角形になりますね。
凹型構図
中央に空間を設けた、遠近感を表現するのに適した構図です。左右の茂みのバランスを1:1.168(約2:3)の比率で分けることがポイント。
遠近感を出しやすいので、コンテストでよく見られますね。
凸型構図
左右に空間を設けた構図で、水草の迫力や群生美を引き出す表現に向いています。重心を中央からややずらすことがポイント。
構成がシンプルなだけに、水草のチョイスが難しそうです。
REPORT 02 流れを表現しやすい構図
構図の視覚効果により、左右のどちらかの空間に向かって視線が自然と誘導されるため、三角構図は、流れ(方向性)を表現しやすいと言えます。
テープ系水草との相乗効果
水の流れを表現するためには特にテープ系の水草が相性抜群で、三角構図の背景草やアクセントとして用いることで水の流れをより明確に意識づけてくれます。
水の流れを表現するためには特にテープ系の水草が相性抜群で、三角構図の背景草やアクセントとして用いることで水の流れをより明確に意識づけてくれます。
水面をたなびく姿が、早瀬の表現などにピッタリですね。
魚の導線で水の流れを演出
三角構図は凸・凹構図に比べ横方向にスペースをつくりやすいため、左右に活発に泳ぐ魚種との相性が良く、悠々と泳ぐ姿が、意図せずとも水の流れを演出してくれます。
魚の導線がそのまま水の流れになっています。
REPORT 03 小型水槽に向いている構図
三角構図は、限られた空間の中でもしっかりと魚の遊泳スペースを確保できるため、小型水槽でも窮屈さを感じさせないレイアウトをつくるのに向いています。
ダントツで構図が組みやすい
小型になるほど縦の比率が大きくなるので、凸・凹型構図では難易度が高くなります。三角構図なら、水槽の対角線を意識して構図を組むだけでキレイにまとまります。
小型になるほど縦の比率が大きくなるので、凸・凹型構図では難易度が高くなります。三角構図なら、水槽の対角線を意識して構図を組むだけでキレイにまとまります。
小型水槽で悩んだら、まず三角構図で組んでみましょう。
メンテナンスの目安になる
メンテナンスのテクニックが要求される小型水槽ですが、三角構図なら、構図骨格の斜辺が目安になるのでトリミングがしやすくなります。
メンテナンスの面からも、ビギナー向けの構図と言えますね。
REPORT 04 レイアウトから考察するテクニック
三角構図には、抑えておくべきポイントがあります。テクニックを使いこなしてレイアウトの完成度を上げていきましょう。
三角構図遠近法
真上からみて、対角線を描くように骨格を構成することで、奥行きのあるレイアウト表現ができます。構図を立体的に考えると、横向きの三角錐をイメージすると良いでしょう。
真上からみて、対角線を描くように骨格を構成することで、奥行きのあるレイアウト表現ができます。構図を立体的に考えると、横向きの三角錐をイメージすると良いでしょう。
右奥に向かって繊細な水草を配置することで遠近感がより強調されますね。
実際に対角線を意識してつくられていることがわかります。
水草で弧を描きましょう
構図と水草でつくられた斜辺のラインが直線すぎると画面が分断され、不自然な印象になってしまいます。弧を描くように水草をコントロールしましょう。
水草のラインが関数
y=√xのグラフに似ています!
y=√xのグラフに似ています!
群をつくりバランスをとる
骨格を群ごとに分けて構成することで、空間に強弱のあるバランスのとれた構図になり、レイアウトに安定感を与えます。流木をリズムよく配置しましょう。
直角三角形の重心から斜辺に向かって群が傾いています。
まとめ
水の流れを表現しやすい構図
活発に泳ぐ魚種や、テープ系水草が流れを強調してくれます。
小型水槽に向いている構図
基本三構図のなかでも構図が組みやすく、トリミングがしやすい。
3つのポイントを抑えましょう
1.奥行きをつくりたいときは、横向きの三角錐をイメージしましょう。
2.水草のラインは弧を描きましょう。
3.骨格に群をつくると構図のバランスが良くなります。
三角構図の特徴を捉えて、レイアウトの完成度を高めていきましょう!